エルシャフィー・マリアムさん(エジプト)
インタビュー&構成:徳橋功
ご意見・ご感想は itokuhashi@myeyestokyo.com までお願いします。
Mariam El Shafie
初来日
ダウンタウンで日本語を勉強しました(笑)
My Eyes Tokyoは、様々な外国人が見た東京や日本を、彼らのライフヒストリーを織り交ぜながら伝えるインタビューサイトですが、今回はちょっと“箸休め”的な気軽なインタビューです。
今年2月に約2週間日本に滞在した、エジプト出身のエルシャフィー・マリアムさん。数年前に日本と衝撃的な出会いを果たし、まだ見ぬ遠い極東の地に思いを馳せながら、Facebookで知り合った日本人グループと日本語でチャットし合う毎日。そんな折、ついに彼女に日本行きのチケットが手渡されました。JICA関西が京都で実施するプログラムに、彼女が勤務している大学が参加できることになったのです。
念願の日本に、ついに来ることができる・・・25歳の女の子の心境は、どのようなものだったのでしょうか?わずか2日間の東京滞在のすき間の時間を縫って有志が開催した「マリアムmeetsやーばーん(アラビア語で“日本”の意味)」と題したウェルカムパーティーでの、公開インタビューのもようをお届けいたします。
*インタビュー@アル・ミーナ(神田)
M:エルシャフィー・マリアムさん T:徳橋功(My Eyes Tokyo主宰)
あまり乗り気ではなかった日本行き
T. マリアムちゃん、ようこそ日本へ!・・・と盛り上がる前にちょっと今回の経緯を説明させていただければと思うのですが、Facebook上にある「チームカエルちゃん」という異業種交流グループでこの会を企画しました。私はそのグループに最近入ったので、なぜ「カエルちゃん」という名前なのかもよく分からないうちに今に至るわけですが(笑)すでにこの会に入っていたマリアムちゃんと、Facebook上で知り合うことができました。そのような機会をいただき、このグループには大変感謝しております。
そして、ついに日本に来ることが決まったわけですね!もちろん、マリアムちゃんは日本に関係のあるところで働いているわけだけれども。
M. Egypt-Japan University of Science & Technology (E-JUST) というところです。
T.「エジプト日本科学技術大学」ですね。でも、日本に来ることが決まったときは、どうでしたか?
M. ・・・英語でもいいですか?
T. どうぞ。
M. First I wasn’t going to come here. I was so sad. But my dad said to me, “Don’t be sad. You’ll go to Japan and meet new people. So don’t worry”. When I decided to come to Japan, I felt so happy.
T. (訳す)最初は日本に来ることに対して気が進まなかったんだけど、お父さんが「日本では新しい出会いもきっとあるから、心配しないで楽しんで来なさい」と言ってくれた。私が日本に来ることを決めて、ようやく前向きな気持ちになれました。
M. 日本に来ている間は、毎日Skypeで話してる。
T. そうなんだ!でもこのインタビューはSkypeで中継していない〜お父さん、ごめんなさい!
マリアムさん東京観光 with チームカエルちゃん *制作:向井直也さん
日本との出会いは関西芸人
T. マリアムちゃんは日本語だけでなく、英語もすごく話せるんです。
M. 英語は話せるけど、日本語は全然できない(笑)
T. 全然できていますよね!ずっと日本語を勉強していたんですか?
M. 3年前に始めました。
T. 何で日本語を勉強しようと思ったんですか?
M. 日本語が好きだから。日本語の音が。例えば皆が話す時に、それを聞くのが好きなんです。
T. なるほど・・・でも、どこで日本と出会ったんですか?
M. YouTubeで(笑)
T. YouTube?
M. YouTubeの、ダウンタウンの映像で。
(会場爆笑)
T. ダウンタウンだったんだ!
M. はい。濱田さんと松本さん。
(会場ざわつく)
T.ということは、日本語は関西弁から覚えたってこと?
M. そう。
T. 偶然見たの?
M. うん。
T. 日本のことを全く知らなかった時に?
M. そうそう。何も知らなかった。でも偶然彼らの映像を見つけた時は、すごく笑ってた(笑)
T. えーーーっ?でも、ダウンタウンと言ってもいろいろあるでしょ?「ガキの使いやあらへんで!」とか。漫才とかコントとか。
M. 漫才じゃなかった。罰ゲームだった。
T. もしかして「笑ってはいけない○○」?
M. そう。
T. 「濱田、山崎、アウト〜!」ってヤツですね。
M. そうそう!!
(会場爆笑)
T. あれは確かに、日本語が分からなくても楽しめるかもしれないね。でも、あれを見て「ひどいことをするな〜」とは思わなかった?
M. ちょっと(笑)でも楽しかった。
T. それで日本語に興味を持ったと。
M. そうです。それで日本語についてインターネットで調べて、日本語に興味を持って、勉強し始めました。
T. 一人で勉強していたんでしょう?
M. エジプトで日本人の日本語の先生に出会って、1年くらい私に日本語を教えてくれて、ようやく初級くらいになって。それから先生が日本に帰ったので、私一人で勉強していました。
月9ドラマと時代劇で日本を学ぶ
T. この2週間で、日本に対する印象は変わった?
M. いえ。
T. 変わってない?同じ?
M. うん、同じ。だって私、エジプトにいた時にずっと日本のドラマを見ていたから。
T. どういうドラマ?
M. 『リッチマン、プアウーマン』。
T. へえーー出演者は誰だっけ?
(会場「石原さとみと小栗旬」)
M. あとは、Historical drama。
T. 時代劇?
M. 『大奥』っていうドラマ。
T. 『大奥』?『リッチマン、プアウーマン』とものすごい差がありますよね。
M. 男の子が病気になって死んじゃって、女の子が将軍になっちゃった。
T. 私は見ていなかったんですけど、そういうストーリーだったんだ。
M. 有名ですよ。
T. 有名です!私が見ていなかっただけです(笑)
関西弁Love、日本Love!
T. 今日はこれだけの人たちがいらしてくれています。全員「マリアムちゃんに会いたい!」と思っていた人ばかりです。どうですか?
M. 私もみんなに会いたかったです。
(会場「僕も会いたかった!」)
T. ねえ!
(会場「ホンマや」)
M. ホンマや!
(会場大爆笑)
T. たまにFacebookに関西弁で書いてあるんですよね。
M. うん、せやな〜
(会場大爆笑)
T. もうマリアムちゃんに日本語を教える必要は無いです!
(会場「関西弁の発音が上手くなっている」)
T. 発音が上手くなっている?
M. いつも教えてくれる・・・やろ?
T. どうやって教えているんですか?
(会場「時々Skypeで」)
T. なるほど。もうここまで言葉ができたら・・・それでもエジプトに帰る?(笑)
M. まだ帰りたくないよ!
T. まだ帰りたくないね!
M. うん、もう少しいたいね。
T. お父さん、今年の夏までは、日本にいさせてあげてください(笑)
M. 家族とはSkypeで話しているから、大丈夫。
T. 誰か、お父さんを説得してください(笑)また、日本には来たいですか?
M. うん、また来たい。絶対に!
T. ここにいる皆さん、そして今日は残念ながらスケジュールが合わなくて来れなかった方々に、メッセージがありましたら、どうぞ。
M. ・・・会いたかった!
T.(笑)でも、ここにいる人たちとは会えました。どうでしょう?
M. すごい嬉しい!知らない人もいるんですけど・・・
T. これから友達になりますね。
M. はい、そうですね。私は日本人が好きなので、本当に嬉しいです。友達いっぱいいっぱい、作りたいです。
T. 東京は、今日が最後。寂しいね・・・でも、これをきっかけに、FacebookやSkypeなどでつながりましょう。
M. よろしくお願いします!
関連記事
My Eyes Tokyoラジオで、会場の地中海レストラン「アル・ミーナ」オーナーシェフにインタビューしました!
● 2011年2月19日OA:こちら
● 2011年2月26日OA:こちら
(当時は音声ストリーミングを導入していなかったので、番組をお聴きになれませんがご了承ください)