京都大学アカデミックデイに行ってきました!

今年4月に始まったニューヨーク発の女子目線MLBリポートに続き、今後は関西からの情報をお伝えするコーナーも設ける予定です。今回はそれに先駆け、京都大学で行われた”科学をグッと身近に感じられる”イベントのもようを、My Eyes Tokyo 関西エリアマネージャーよりお伝えします。

 

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9月2日(日)西の最高学府・京都大学にて「京都大学アカデミックデイ」が開催されました。

このイベントは、京都大学が「国民との科学・技術対話」支援事業の一環として、市民や研究者など、文系・理系問わず誰もが学問の楽しさや魅力に気づくことができるコミュニケーションの場を作り、科学・技術に関わる者が国民と直接対話をすることで、国民の声を、国の政策や京都大学における研究活動に反映させることを、一つの目的として始められた取り組みです。
2012年3月に続き今回で2回目の開催となった「京都大学アカデミックデイ」。午前10時から開始したこのイベントには、現役学生だけでなく、OBや家族連れなど大勢の方々が参加しました。主催は京都大学内に設置されている、京都大学学術研究支援室の方々。
今回はその中のおひとり、杉原忠さんにお招きいただき参加してまいりました。
様々な分野の研究者に触れることのできる「ポスター前で立ち話」、研究者とじっくり対話をする「ちゃぶ台囲んで膝詰め対話」、1つのテーマに沿ってみんなで話し合う「お茶を片手に座談会」、さらに何と京都大学総長・松本紘(ひろし)氏と知の巨人たちとの対話を観覧できる「紘の部屋」という、1日いるだけで偏差値が20くらいアップしそうな超ぜいたくな4つのプログラムで構成されています。

それでは、ひとつひとつの催しを見てみましょう。 

 

ポスター前で立ち話(ポスター対話)*詳しい内容はこちら
大学研究者、高校生、市民研究者などによる研究紹介。

ポスター前にいる研究者に話しかけたり、その場で知り合った方と意気投合したり、多くの方々が熱心にお話されていました。ただ研究内容を2枚にまとめるのはとても大変だという研究者の声もちらほら・・・笑。

 

ちゃぶ台囲んで膝詰め対話(サイエンスカフェ)*詳しい内容はこちら
研究にまつわるあんな話、こんな話。
お茶の間気分で、ほっこりお話し。
10分程度で話題は「はじめ」に戻る。


年代問わず一つのまあるいちゃぶ台を囲む姿は、とてもほっこりとした空気に満ち溢れていました。ついつい話が長くなっていたような・・・。
ちなみに右の写真は「南海トラフの巨大地震:どうしてM9?」という内容の話をされている様子です。

 

お茶を片手に座談会(トークライブ)*詳しい内容はこちら
それぞれのテーマに沿ってみんなで語り合う。
ここでは科学者と茶人が「対話」について対話するという面白いテーマも繰り広げられていました。宇宙をモチーフに若手作家が作った茶道具も登場!

また、「対話マラソンのための給水ポイント」が設けられており、アンケートを提出するとおいしいコーヒーもいただけます。一息いれながらみんなで座談会!

 

■紘の部屋(対談式講演会)*詳しい内容はこちら
京都大学総長・松本紘(ひろし)氏がゲストの素顔にせまり、多様な話を引き出す。筋書き無しの対話術にご注目!!

ゲスト:
● 大島まり氏(東京大学大学院情報学環・東京大学生産技術研究所 教授)

「研究を通しての科学技術教育」として、科学技術リテラシーの向上のために出張授業などの様々なアウトリーチ活動を行っている。文部科学省の科学技術・学術審議会の専門委員などを務め、NHK「サイエンスZERO」のコメンテーターや「世界一受けたい授業」などにも出演。またフジテレビ人気ドラマ「ガリレオ」の科学監修も担当。 

 

● 川口淳一郎氏(独立行政法人宇宙航空研究開発機構シニアフェロー/
    宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系 教授)

ハレー彗星探査機「さきがけ」、工学実験衛星「ひてん」、火星探査機「のぞみ」などのミッションに携わり、小惑星探査機「はやぶさ」では、プロジェクトマネージャを務めている。

 

ホスト:
● 松本紘氏(京都大学 総長)

専門は宇宙プラズマ物理学、宇宙空間無線エネルギー伝送工学、宇宙電波工学。京都大学工学部、京都大学超高層電波研究センター、京都大学宙空電波科学研究センター、京都大学生存圏研究所を経て、京都大学理事(副学長)。2008年より京都大学第25代総長。

 

最後に百周年記念ホールで行われた対談はとても興味深かったです。川口さんは皆さんもご存知、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトの総指揮を務められた方。京都大学のOBでもあります。
「全く緊張することがない」という松本総長が、幼少時代の科学との出会いや、なぜ専門分野に興味を持ったのかなどを、鋭い切り口で引き出しながらお二人の素顔に迫りました。アカデミックデイの目的でもある「誰もが学問の楽しさ・魅力に気づくことができるコミュニケーションの場とし、国民と科学・技術に関わる者が直接対話をすることで、国民の声を、国の政策や京都大学における研究活動に反映させること」を感じることができる内容でした。

<印象に残った言葉>
☆大島まり氏(東京大学大学院情報学環・生産技術研究所 教授)
・文系、理系など分野にこだわらず、様々なことにトライしてほしい。
・別なことに思えても、いずれそれが役立つ日がくる。
・今の時代を考えると、やりたいことは全部やればいいと思う。たとえば30万円の仕事をするときに、一つの仕事で30万円得るのと1つ10万円の仕事を3つやって30万円にするという考え方もある。

☆川口淳一郎氏(宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 教授)
・大切なのは夢をもつこと。
・意地をもつことが大切。ただこれは努力し続けるとか、最後までやり遂げるとかそういう意地ではなく、「新しいものを生み出そうとすることを諦めない意地。
・年齢を重ねることで、今までよりも歴史が身近に感じるようになった。
・科学という分野が「生活」と密着しているということがわかるような事例がたくさんあれば、もう少し科学が身近な存在に感じられるのではないか。

☆松本紘氏(京都大学 総長)
・人間力・生活力を身につけてほしい。まずは失敗を恐れず挑戦してみる力を持つこと。
・子供にいろいろなことを経験させてあげるのは親の務め。
・必要なことというのは、その時代時代で変化し続けている。

 

私たちの生活と科学という分野は、お互いがどうしても遠く離れているように感じてしまいますが、決してそうではないということ、そして科学者や研究者も、科学がもっと身近なものとして市民にも認識していただきたいという思いがあることがわかりました。
私自身、以前はこのようなイベントを運営する立場にあり、医学会や○○会議など難しい内容の会議に携わるたびに、関係者だけではなく国民ももう少し身近に感じ参加できるイベントがあれば良いなと思っていたので、共感できることがとても多いイベントでした。
これからも誰もが学問の楽しさ・魅力に気づくことのできるコミュニケーションの場として、研究者にとっては国民の声を研究活動に反映させることのできる場として、アカデミックデイが続いていくことを、心から応援したい気持ちになりました!

                (My Eyes Tokyo 関西エリアマネージャー 記) 

 

My Eyes Tokyo

Interviews with international people featured on our radio show on ChuoFM 84.0 & website. Useful information for everyday life in Tokyo. 外国人にとって役立つ情報の提供&外国人とのインタビュー

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