【土用の丑の日スペシャル】世界のうなぎ事情!
2015年8月5日は今年2回目の”土用の丑の日”です。仕事帰りにお店でうな重を食べるサラリーマンの方、スーパーでうなぎの蒲焼きを買う奥様方も多いと思います。
でもそう言えば・・・
「この”うなぎ狂想曲”って、日本だけ?世界はどうなの?」
こんなMy Eyes Tokyoらしい疑問を抱き、早速独自のネットワークを駆使して「世界のうなぎ事情」についてインタビューしてみました。
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韓国
私は食べます。みんな好きです。こちらの写真にあるように、焼いて食べます。蒲焼きに似ていますね。私も好きです。
中国
広東省深圳市
うなぎは中国料理ではないですから、中国人はうなぎはあまり食べないと思います。でも若い人たちの間では日本食が人気で、お寿司屋さんに行ったらうなぎは絶対に注文しますね。私もお寿司屋さんでうなぎを食べます。おいしいです。でも値段が高いから、日本ではめったに食べません(涙)
天津市
中国でもうなぎを食べますよ。食べ方はいろいろありますが、私が一番好きなのは蒸したもの。他には炒めたものとか、お粥の中に入れるものとかたくさんあります。うなぎ大好きです!
*うなぎのレシピはこちら→ http://www.meishij.net/鳗鱼?page=1
香港
私たちはうなぎを蒸したり(蒸鱔または盤龍鱔)油で揚げたり(脆鱔)炒めたり(炒鱔糊)して食べます。
シンガポール
私たちはうなぎは食べないですね・・・日本食を食べる時くらいだと思います。
アメリカ
うなぎを食べる習慣は、アメリカにはありません。だから僕は、日本に来るまでうなぎが食べ物だとは知らなかったくらいです。来日後うなぎ料理を食べてみましたが、タレが甘すぎでした。キャラメルソースみたいなタレに覆われているから、これだと本当のうなぎの味が分からないのではないでしょうか。8月5日にうなぎを食べる人は、くれぐれも糖尿病に気をつけて下さい!
オランダ
オランダでも日本と同じくうなぎを食べます。でも日本とは違う食べ方です。僕たちが食べるのは、オランダ語で「Gerookte paling」、言わば”うなぎの燻製”です。
オランダの燻製うなぎ「Gerookte paling」 *Photo from web
この料理は、僕のおじいさんが好きでしたね。でも正直言えば、僕はこのうなぎの燻製を食べたことはありません。なぜなら、美味しそうに見えなかったから。だから日本のうなぎ料理との味の違いは分かりません。
日本のうなぎ料理は食べたことありますよ、何回も。オランダのと違って、美味しそうに見えたからですね(笑)あのタレがあれば、美味しさ倍増です。でもうなぎで嫌なのは、小骨が多いこと。何とかギリギリ許せる大きさの骨ですが、もしあの小骨が無かったら、もっとうなぎを食べていたでしょうね。あの骨を除けば、うなぎは大好きです。
スペイン
うなぎはスペイン語で「グーラ」と言います。「アルアヒージョ」という調理法で、にんにくとオイルでぐつぐつ煮て食べます。ただ、現在本物は漁獲量が少なく希少で、市場に出回っているうなぎの多くは魚肉の加工品、いわばかまぼこのようなものです。
またスペインでは、うなぎはうなぎでも、稚魚を食べます。日本みたいに大きなうなぎはあるかもしれませんが、あまり見たことがありません。まして日本のように大きなうなぎをさばいて、焼いて食べることなんて見たことがありません。
ベルギー
うなぎは「アンギール」と呼ばれています。ムニエルにして食べます。他にも下の写真のようなうなぎのグリーンソース煮がありますが、私たちもお勧めしません(笑)私たちが見かけるうなぎは稚魚のようなサイズで、大きいうなぎはあまり見たことがありません。
ドイツ
私たちはうなぎを食べますが、それほど人気ではありません。また日本のうなぎとも味が違います。
食べ方は主に燻製です。下の写真のようなもので「Räucheraal」または「geräucherter Aal」と呼ばれています。
一方、下の写真のように燻製ではないうなぎもあります。大きなイベントで前菜として出されたのを見たことがあります。
フランス
私は生まれてこの方、うなぎを料理したことも食べたこともありません。きっと、日本の方々の特別なお料理なのではないでしょうか。
でもうなぎのことを調べてみました。昔フランスではうなぎは良い食べ物とされ、価格も安かったのですが、乱獲により貴重なものとなり、高騰したそうです。
セルビア
私もよくわかりませんが、ドナウ川にいると思います。でも私は多分セルビアで食べたことないと思います。川で取れると思いますが、日本のような人気はないでしょうね。
食べ方ですが、ほかの川魚と一緒に煮込んでスープにするか、グリルで焼くか、ですね。
私は日本でうなぎを食べたことありますが、小さい骨がたくさんありますのであまり好きではないです。私たちは魚料理に慣れていないので、骨が口の中で刺さったりするのが嫌いなんです。隣国のモンテネグロとアルバニア国境に大きな湖があり、そこではうなぎ料理も出されると聞きます。ただ、あまり馴染みはないと思います。
イギリス
下の写真にあるような、うなぎの煮こごりを食べる習慣が、かつてあったと聞いたことがあります。でも20世紀後半あたりから、それを扱うお店が減ったそうです。ただ2011年から2013年にかけて、うなぎの売り上げが突然増えたそうです。tescoというイギリス大手スーパーが発売して、以前より人気になりました。
うなぎの煮こごり *Photo from Wikipedia
オーストラリア
野生のうなぎは捕れるようですが、一般的には食べません。日本食レストランでは蒲焼やお寿司など、日本の定番のと変わりません。一方、オーストラリアで独自に発展したお寿司屋さんでは、下の写真のようにうなぎの寿司ロールを売っています。その中にはうなぎやきゅうり、レタスが入っていることが多いです。
なお、これらに使われるウナギは日本からの冷凍輸入品です。
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いかがだったでしょうか?意外な国で食べられていたり、または意外にもあの国で食べられていなかったりと、新しい事実を発見できたのではないでしょうか。今回は残念ながらアフリカや南米でのうなぎ事情をお聞きできませんでしたので、それらは来年の課題とさせていただきたく思います。もちろん、引き続きMETでは、世界を飛び回る方々からのうなぎ情報を随時承っておりますので、下記メッセージ欄にお気軽にコメントをお残しいただければ幸いです。
Have a Happy Unagi Day!
*企画:田中千恵子
*リサーチ・構成:徳橋功
*協力(敬称略)
李東烈 葉小榕 韓せいいち Sora Hirano Alex Memon Giuliano Garau Tijana Zdravkovic 小柳津千早 麗れいな 天野美樹
初めまして、昔ドイツ赴任中のハンブルクで食べたウナギぶつ切りのクリームソース煮込み料理が旨かったので調べてみましたが、残念ながら最近はメニューから消えているようです(名物の燻製とスープは見た目が不味そうです・・)。フランスではロワール川沿いで食されているようですが、これは見た目も昔のハンブルクの料理に似ていてとても美味しそうです。
Eel stew (bouilleture d’anguilles) is a very popular dish in the Loire Valley.
もし食される機会がありましたら是非ご紹介お願い致します。ベルギー製の料理よりは遥かに美味の筈です。