Startup Weekend Tokyo Women Vol.2に行ってきました!Part2

取材&構成:徳橋功
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うーまん3

☆起業女子たちによる熱いプレゼンのもようはこちらをご覧下さい!

 

暴風と土砂降りの荒天の中で行われた”Startup Weekend Tokyo Women Vol.2”(以下SWTW)、最終プレゼンテーション終了後、54時間にわたる闘いの疲れを癒す懇親会が始まりました。

盛り上がる宴の中、KY度では世界トップクラスを誇るMy Eyes Tokyo(以下MET)は、話に花を咲かせる皆様に割って入り、無理矢理インタビューをさせていただきました(汗)

 

松本久美さん

優勝チーム「Cinderella Shoes」代表

靴業界で長い間働く中で、この「Cinderella Shoes」のアイデアが生まれました。それ以来プランのブラッシュアップはしてきましたが、一方で私にはITの技術は無かったし、その分野の人も身近にいなかったので、行き詰まりを感じ「これ以上前に進めない・・・」というところまで来ました。このアイデアを形にできる場所を探していました。
そんな時に知人が「こういうところがあるよ」と紹介してくれたのが、SWTWでした。本当に土壇場で、私が参加ボタンをクリックした時には、締め切りが翌日に迫っていました。イベントの詳細もあまり読まないまま、私は参加しました。でもここで私は、まさに私の足りないスキルを補ってくれる人たちに出会い、私のプランを皆さんが形にしてくれて、本当に感動しました。
コーチの方々のご意見、中でもある方の「”実際に靴を試着できて返品無料”というサービスが普及している中で、”ウェブ上の靴のマッチング”というサービスが信頼性を勝ち取っていけるのか」というご意見は刺さりました。ユーザーさんは、絶対に試着したいと思います。その欲求を超えるためにどうすれば良いか・・・私にはそのアイデアはありませんでした。しかもそのように言われたのが2日目の午後。24時間後にはアイデアを具体的な形にしていなければなりません。チームの皆からはいろんな改善策が出ましたが、それらを受け入れられない自分がいました。今年1月から温めていたアイデアですから・・・それでもチームメンバーから合理的な説明を受けて、私も納得して前に進み、おかげさまで優勝することができました。
私は自分が起業した後のチームメイト選びについて、このSWTWで具体的にイメージを掴むことができ、すごく勉強になりました。私はこの「Cinderella Shoes」をビジネスにしたいと思っています。今はまだ別の仕事をしていますが、できれば2015年度中には事業化したいですね。

 

松本かずえさん

Startup Weekend Tokyo Women オーガナイザー

SWTWを企画したきっかけは、アメリカのStartup Weekendからの提案でした。私はこれまでStartup Weekend Tokyoの運営に携わってきましたが、男性参加者が多いイベントだと、女性の意見が通りにくい傾向があります。だから女性のアイデアが埋もれてしまう。それらを私は掬い上げたいと思いました。ご覧いただいた通り、実際にSWTWでは女性ならではのアイデアがたくさん出てきます。そのアイデアを中心にチームが作られていくわけですが、サポート役として参加する男性からは「女性のリーダーの下で仕事をするのがすごく楽しい!」という声も聞こえてきました。
女性はグループ全体の意見のコンセンサスを取ろうとします。だからなかなか話が進みません。そこに男性が入ることによって、みんなの意見をまとめて前に進んでいきます。女性をリーダーに、男性をサポーターにすると、男女のお互いの良い面が出てくる。それを見るのが楽しかったですね。
ただひとつ残念なのは、女性参加者にリピーターが少ないことです。それは男性との志向の違いが理由にあると思います。男性は”起業→規模拡大→上場/事業売却”みたいに考えますが、女性は”起業→社会貢献”と考える。だから1回目に参加した女性は悩んでしまったかもしれません。実際に第1回目の審査員には投資家さんもいらっしゃいましたし「私には(投資家の方々が考えるような)起業には向いていないんじゃないか?」と。
だから私は思います。女性は、男性的な起業なんて目指さなくていい、と。そのメッセージを込めて、今回私たちは羽田賀恵さんと小松崎友子さんに審査員をお願いしたのです。彼女たちはどこかから投資を受けて事業をされているわけではないですから。それに、このイベントに参加したからと言ってすぐに起業しなくちゃいけないわけでもありません。10年後に起業したって良いし、仕事を辞めずに企業内で起業家マインドを発揮しても良いと思います。

 

大嶋バネッサさん

審査員/日本コカ・コーラ株式会社 経営戦略本部 コンシューマー&コマーシャルナレッジ&インサイツ バイスプレジデント

私はメンターとしてはStartup Weekendに何回か参加させていただいていますが、審査員は今回が初めてです。私自身は、チームに技術があるかどうか、彼女たちが作ろうとしているものにニーズがあるかどうか、きちんとリサーチをしたかどうかを見ました。そうすると壁にぶつかるものですが、そこで何が足りなかったか、何が間違えていたのかを考えて立ち直るという過程を経ているか、というのも見ています。最終的には、自分の生活や仕事での経験から生まれた課題を解決させるためのアイデアを、この3日間でどこまで形にできたか、ですね。
あとはプレゼンです。プレゼンの上手さもスタートアップにとっては必要だと思います。3日間で作り上げたものを発表するのに5分は短かすぎるという声もありますが、実際に私がスタートアップを経験した中で、5分や15分で伝えることをベンチャーキャピタルや新規のクライアントから求められることは実際にありました。自分たちのやろうとしていることや、需要がどこにあるかなどを端的に伝えて彼らの気持ちを掴む。それができないと、次のミーティングにつなげられないと思います。だから「実際はもっと伝えるべきことはあったのだけど、5分しか無かったから・・・」とはあまり言わない方が良いと思いますね。
SWTWという試みは、すごく大事だと思います。これからは、もっと女性のメンターが出ることが必要だと思います。一方で参加した女性たちに求めるのは、アイデアの実現に必要なスキルをどうやって身につけるかを考えたり、女性同士で頑張り合ったりすることですね。でも女性が成功するためには男性のアイデアも必要。その意味でSWTWは、女性だけでなく男性も参加できるというのがすごく良いと思います。

 

小松崎友子さん

審査員/株式会社イントゥ 代表取締役

たくさんのアイデアと個性あふれるプレゼンテーションに大変刺激を受けました。2日間でここまでベースを創り上げるとは・・・その集中力とスピードの速さに驚きました。
イベント後の交流会でたくさんの参加者とお話させていただきまたもびっくり。起業するために会社を辞めたという人、この1週間以内に会社登記しようと考えている人、全ての方ではなかったですが、「本気で」起業しようとしている人たちが集まっているということを知りました。
彼女たちからは「どういうふうに起業したんですか?」「どういうタイミングで起業したんですか?」「起業に向けてどんな準備をしたんですか?」と次から次へと起業に関する質問をいただきました。
そんな彼女たちに一番伝えたかったこと、それは「起業するのに“完璧”な準備をしようという考えは忘れよう」ということ。
起業のタイミングは突然やってきます。そのとき、準備ができていないからやめよう、というのはもったいない。まずはスタートをきってしまって、あとからそのギャップを埋めていけば良い – わたしはそう思っています。
ただもちろん、何もしないで待っているだけではチャンスは巡ってきません。もしやりたいことがあるなら、そこに関連する何か、例えば小規模のイベントの企画でも良いからすべて“自分の力だけ”でやってみることをお勧めします。会社や他人の看板を借りることなく、自分の力だけでやることで、自分がいまどんな場所にいるのか、明確に知ることができます。
最初は辛いと感じるかもしれないですが、あとから「こんなはずじゃなかった…」と思う前にすることで大きな失敗を防ぐことができます。独立したら、大きな壁は何度も何度も立ちはだかります。「なかなか一歩踏み出せない・・・」と悩む、女性起業家を目指すみなさん、今回を機に、大きな一歩を進めていただければうれしいですね。

 

羽田賀恵さん

審査員/マザーアース・ソリューション株式会社 代表取締役

昨日まで私がこのようなイベントに参加する立場だったのに、このようなお話をいただいたから驚きました。私は1日目にも伺ったのですが、もう「私も参加したい!」と本気で思ったほどです(笑)
入浴剤”CLAYD”のリリースによって少し上向きにはなってきましたが、私自身はまだ何も成功していません。でもそんな私だからこそ、半歩だけでも前に踏み出したという私の話を、懇親会の場で参加者の皆さんがご興味を持ってお聞き下さったのかもしれません。
私が個人的に面白いと思ったアイデアは、実は1日目の参加者による1分間プレゼンで惜しくも投票から漏れてしまった”ドギーバッグを日本にも普及させよう”というものでした。他にもビジネスになりえるアイデアが多くありました。
だから私は最終発表の場で言ったんです。「優勝しなかったアイデアの方に可能性がある」と。選ばれなかったら、きっと悔しいでしょう。その”悔しがる”という気持ちが大事だと思います。私自身がそれをたくさん経験して来たし、順調に進んでしまうことで、却って成功につながらなかったりするものです。
男性のアイデアが「どうやったらお金を生み出せるか」にフォーカスする一方で、女性のアイデアには、すごく生活に密着しているものや、日々の問題を解決しようとするものが多い。女性は世界を良くしていくことに気持ちを傾けがちで、お金のことを考えない傾向があります。男性のお力添えをいただきながら、女性のアイデアを前に出していくのが、女性にとっての起業の在り方ではないでしょうか。

 

李東烈さん

Startup Weekend Tokyo チーフオーガナイザー

今回もファシリテーターという立場で関わらせていただきました。”Women”テーマのStartup Weekendは世界中で行われていたし「面白そうだ」と思っていました。ただ私たちの周りに女性起業家が少ないので、参加者を集めるの が難しいかもしれないと心配をしていました。でも実際、”Women”テーマの第1回目にもたくさんの人が参加してくれましたし、結果も良かったので、今回の第2回目についてはあまり心配していませんでした。
今日のチームごとのピッチを聞いても、他のStartup Weekendと変わりない印象でした。しかしピッチしながら泣くくらい参加者のテンションが高かったのが今回のSWTWの特徴です。だから今回は”普通に”良かったと思います。
”普通”と言ったのは、テーマなしの他のStartup Weekendと、その参加者や結果の良さなどの面で差がないという意味です。まだまだ皆さんのチャレンジが日本国内や身の回りの範囲を超えていないのも、他のSWと変わっていない点と言えます。
最後は個人的な希望ですが・・・今回のSWTWは、東京以外にウルグアイとワシントンDCで開催されました。だから「ウルグアイの方の主催者とつなげてほしい」「ワシントンDCでビジネスをしたいので、彼らのニーズを知りたい」など、広い視野で参加してくれる参加者が欲しかったです。今回の参加者も含めて次回のSWTWからもグローバルな挑戦をする女性起業家さんが生まれることを、私は期待しています。

   

10343681_717130768364976_7837069592971398323_n 提供:松本かずえさん

 

次に世界を変えるアイデアを生み出すのは、一体誰か?
・・・この記事をお読みいただいている、あなたたちです!

 

撮影:加藤翼(ICT, The International Center in Tokyo)

 

関連リンク

Startup Weekend Tokyo Women Vol.2:こちら
SWTWオーガナイザー 松本かずえさんインタビュー:http://make2020.net/blog/swtw/
Startup Weekend Tokyo:http://tokyo.startupweekend.org/
日本コカ・コーラ株式会社:http://www.cocacola.co.jp/
株式会社イントゥ:http://www.in2jp.com/
マザーアース・ソリューション株式会社(CLAYD JAPAN):こちら

 

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Startup Weekend Tokyo Women Vol.2に行ってきました!Part1
小松崎友子さん(PRプロデューサー)
羽田賀恵さん(社会起業家)
李東烈さん(社会起業家/Startup Weekend Tokyoチーフオーガナイザー & グローバルファシリテーター)
秋山智紀さん(ベンチャーキャピタリスト)
タオ・ロメラ・マルティネスさん(2013年2月SWTにて優勝)

 

My Eyes Tokyo

Interviews with international people featured on our radio show on ChuoFM 84.0 & website. Useful information for everyday life in Tokyo. 外国人にとって役立つ情報の提供&外国人とのインタビュー

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