東欧ジョージアへ弾丸旅行!

ダニエル・ペンソ
コラムニスト/翻訳家

(English article here)

 

写真提供:ダニエル・ペンソ

日本をはじめとする東アジアや東南アジアの文化に魅了された者にとって、旧ソ連圏の国に行くことは、日常からかけ離れたことのように見えるでしょう。中央アジアと西アジアは、アジアと名がついているものの、食事や言語、人々の生活様式など、あらゆる点で他のアジア地域とは全く異なります。だからジョージアに行くことは、以前は想像もしなかったことでした。しかしここ数ヶ月の間ジョージア語(ქართული ენა Kartuli Ena:ジョージア語の別名”カルトリ語”)に興味が湧き、ちょうどアジアでの用事が控えていたので、この国のことを調べてみようと思いました。

黒海の東側に位置し、コーカサス山脈に囲まれたジョージアは、さまざまな民族が行き交い、互いの文化に影響を与えてきた地域です。そのためジョージア語には、iglesia(教会)やmarketi(市場)のような外来語が多く見られます。

この国は現在、ウクライナとロシア、イスラエルとガザという2つの大きな紛争地帯に挟まれています。幸いなことに滞在中、現地で危ない目に遭うことはありませんでした。首都トビリシの道路には野良犬がたくさんいたものの、ありがたいことに危険を回避できました。

私の今回の3日間の滞在は、トビリシにある至聖三者大聖堂の訪問でスタート。池袋や渋谷のような、昼も夜も若者が集まるリバティスクエアにあるホテルを出発し、地下鉄で1駅のアヴラバリへ。近年の時流に乗り、私もグーグルマップに従い、長崎やサンフランシスコのような山々と都市が調和する風景を楽しみながら教会へと向かいました。

地元のスーパーで調達した食材でささやかな食事。庶民的なスーパーマーケットは、ジョージアでは「スパー」と呼ばれる、セブンイレブンのようなコンビニエンスストアです。 この国で初めて過ごす夜。食事の後に少し寝て、もし早起きできるなら、それを目指そうと思いましたが・・・さて「それ」とはいったい何でしょう?それはさておき、私は翌朝、トビリシからバトゥミへと向かいました。

写真提供:ダニエル・ペンソ

バトゥミへは車で5時間のドライブ。トビリシに次ぐ国内第2の都市で、黒海の観光リゾート地として有名。カリフォルニアのサンタモニカや日本の江ノ島に似ています。その美しい海岸線はデートコースにぴったり。だから将来、もしかしたらジョージアに家族でまた訪れるかもしれないな、と思いました。

新しい土地に行くたびに、たとえ自分が住んでいる国の中であっても、魅了されたり当惑させられたりするものが必ずあるものです。

トビリシとバトゥミを往復する間、私は朝4時半ごろ、リバティスクエアのホテル(トビリシ市内)からバトゥミに向けて出発したため、最初の2~3時間はまだ空が暗い状態。山国であるため、黒い空に映える山々のシルエットはとても神秘的で魅力的でした。ドライブの半分以上が終わったあたりで、真の”田舎”にたどり着きました。その田舎ぶりは、牛飼いが牛の群れを率いて道を歩いていたほど。生まれて初めて目にする光景に、私は畏敬の念にかられました。


写真提供:ダニエル・ペンソ

さらに驚いたのは、バトゥミからの帰り道を運転中、何度か牛が道路の真ん中、文字通り中央分離帯の上で草を食んでいるのに出くわしたこと!アメリカや日本だと、田舎でもまず見られない光景ですよね。

さて、午前10時頃バトゥミに到着。レストランはまだ開いておらず、チャチャ・タワー(※時計塔)からアルファベット・タワー(※グルジアのアルファベットと人々の独自性を象徴する高さ130メートルのタワー)までの埠頭沿いを歩くことに。その後「カフェ・アジャラ」でおいしい食事をいただきました。そのレストランのオーナーは、ジョージアの人々に「共に仲良く暮らしていこう」と訴えかける「midi midi movdivar(Go, go, I’m coming)」[1]など、とてもリズミカルなジョージア音楽を流してくれました。

もうひとつ、日本人旅行者が興味を持ちそうなのが、トビリシからバトゥミを行く道中で見かけるさまざまな街の名前でしょう。「ジャパナ」という名の街を示す標識を見て、私はハッとしました。

JAPANAと書かれた標識を見て、思わず笑ってしまいました!
※写真提供:ダニエル・ペンソ

 

ჯაპანა(ジャパーナ)の「ჯ」は、英語にはない「dzh」の音に近いもの。一番近いのは「ghibli」(ジブリ)の「gh」かもしれません。他にも「ゴミ」と「オニ」という街を見つけました。

ジョージアを旅する人たちにとって、ブドウとワインは必須項目。私自身はワイン通ではありませんが、トビリシのあちこちに点在している露店で購入したブドウは絶品でした。どうやらこの国には500種類以上のブドウがあるようです。

※グルジアの伝統舞踊をマスターした初の日本人が、おもしろ動画をたくさんアップしているので、こちらも要チェックです![2]

将来またジョージアに行くかな?正直なところ、それは様子を見て決めたいと思います。でも本当に楽しい体験でした。普通じゃないことをやってみたい方、ぜひジョージアに行ってみてください!

[1] youtube.com/watch?v=f2O7PauUiEE (Midi Midi Movdivar “მიდი, მიდი, მოვდივარ”)
[2] youtube.com/@georgiaarkhi(グルジアの伝統舞踊で活躍する日本人男性)

 

ダニエル・ペンソ

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米オレゴン州在住の日英翻訳家。1999年〜2009年の約10年間住んでいた東京を”第2の故郷”と呼ぶ。趣味は旅行、語学、食。日本への旅行時には落語を楽しむ。
*ダニエル氏の詳細は以下のページをご覧下さい。
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