世界中の学生が神戸に集結!模擬国連世界大会
取材&構成:徳橋功
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皆さんは”模擬国連”という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?中学生や高校生、大学生などが、自身の出身国以外の国の大使となり、国連を模した会議に参加して議論および交渉を行うという活動で、現存する国際問題の解決について多角的な視点を養うことを目的に世界中で行われています。大小さまざまな模擬国連のうち、唯一国連からの承認およびサポートを受けている世界最大規模の「模擬国連世界大会(National Model United Nations: NMUN)」は、秋季大会を世界各地の大学がホスト校となり開催(※春季大会はニューヨークで開催)。国連と同じく「総会」「安全保障理事会」「経済社会理事会」「核不拡散条約(NPT)再検討会議」などが開かれます。
2008年以降の連続参加、および2016年秋季大会の運営実績が高く評価され、2度目のホスト校開催という栄誉を手にしたのが、”行動する国際人”の育成を行う神戸市外国語大学です。
模擬国連世界大会 2016年秋季大会@神戸市外国語大学写真提供:神戸市外国語大学
「21世紀に向けた社会正義を基盤とした平和の推進/Promoting a Just Peace in the 21st Century」をテーマに 2022年11月20日から26日にかけて行われる今大会には、世界11ヵ国から332名の学生たちが参加。会議を通して「本当の平和とは何か?」を考えます。
本大会開催に向けて開かれた記者会見で、模擬国連の事務総長を務めるヒキタ・キーシャ・ロレーヌ・サントーヨさん(本学4年)が、大会に込めた学生たちの思いを語りました。
写真提供:神戸市外国語大学
世界情勢が複雑化する不安定な世の中だからこそ、唯一の被爆国として77年前の歴史を参加者に知っていただき、核兵器がもたらした脅威を自分の目で見て考えていただく – 私たちは本大会を、その機会にできればと思っています。また戦争がもたらす脅威を心に留めながらも、戦争や紛争だけでなく、人種差別などの無い、平和を築くために欠かせない様々な要素にも触れ、考えていただく機会にできればと思っています。これらのように絶対的な答えが無いものに対して、世界各国から様々なスタンスやバックグラウンドを持つ学生が集まる国際大会だからこそ、会議を通して自分なりの考えを見出していただく、そのような意義のあるテーマになることを願っています。
今大会は、コロナ禍後初の米国外での開催ということもあり、模擬国連関係者の中で特に注目される大会となっています。さらにコロナ禍後の神戸で開催される国際会議の中でも、本大会は最も多くの外国人の方々が集まる大会で、最も規模が大きいものになっていることも、とても誇りに思っています。
本来は2020年の開催予定であったものを、コロナ禍を経てようやく開催できることとなり、とても嬉しく思います。開催国・開催都市として、私たちが一体となって主催する姿をお見せできることは、コロナ禍からの回復・復興だけでなく、日本や神戸のブランド力を世界に示す大会になるのではないかと信じています。
また「平和」というテーマを設定したことについて、ヒキタさんは次のように語りました。
正直申し上げてロシア・ウクライナ紛争を受けて、というのが大きいのですが、それだけではなく、近年のアジアヘイトやBlack Lives Matterなど「平和って何なのだろう?」と考えさせられる情勢が世の中を取り巻いています。戦争や紛争についてはもちろん、そのような問題にも国際社会がどのようにアプローチしているのかについて、学生の興味や関心を強め、若者が持つ影響力や行動力を刺激する大会にできればと思い「平和」というテーマにさせていただいております。
この世界大会を運営する学生運営委員会の活動経費を集めるため、現在クラウドファンディングが行われています。締め切りは11月28日の23時です。
11月20日に世界中から学生たちが神戸に到着。神戸市内ツアー、および広島や京都での文化視察を経て、11月23日から26日まで会議が行われる予定です。
関連リンク
・神戸市外国語大学 模擬国連世界大会特設HP:kobe-cufs.ac.jp/about/mun/2022kobe.html
・神戸市外国語大学HP:kobe-cufs.ac.jp/
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