多文化おもてなしフェスティバルに参加しよう!

インタビュー:徳橋功/ホフ・ジェニファー・アンドレア(My Eyes Tokyo)
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(English article here)

 

Multicultural One Family Festival

2022年11月23日開催予定

私たちMy Eyes Tokyoがこれまでの活動を通じて目指してきたのは”様々な背景を持つ人たちが普遍的に持っているもの”を伝えること。それにより日本人はもちろん、海外にいる人たち同士の間でも、様々な国々に対する偏見が無くなることを目指し、活動を続けています。

そんな私たちは昨年、ある国際平和団体に出会いました。アメリカに本部を置く”Global Peace Foundation”(GPF)の日本支部であるGlobal Peace Foundation Japanです。この団体から、私たちのこれまでの活動についての講演依頼を受け、昨年11月に実施(※こちらから動画でご覧いただけます)。GPFが据える目標の一つである「“違い”を超えたビジョンの共有」に私たちが賛同したのが、ご依頼を引き受けさせていただいた理由です。

GPF Japanがその目標の実現に向け、毎年行っているイベントがあります。それが「多文化おもてなしフェスティバル(Multicultural One Family Festival)」です。2015年に日比谷公園で第1回が開催され、今年(2022年)はコロナを乗り越え数年ぶりに対面で行われます。このイベントのユニークなところは、フェスティバルそのものの成功よりも、その過程で様々な背景を持つ人たちがお互いを理解し合い、1つの目標に向かって絆を深め合うことを大切にしていることです。

今年は11月23日に開催決定。それに向けてすでにインドネシア、カナダ、日本、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、ボリビアなど多数の国々の出身者から成る実行委員会が動き始めています。個性豊かなメンバーをサポートするスタッフに、様々なバックグラウンドを持つ人たちと交流し、汗を流す醍醐味についてお聞きしました。

*インタビュー@GPF Japan(渋谷区)


第1回~第5回 多文化おもてなしフェスティバル ダイジェスト映像

 

多文化おもてなしフェスティバル 実行委員長
飯田和広さん

GPF Japan 事務局長

僕は2015年に日比谷公園で行われた第1回にスタッフとして参加し、2016年の第2回以降(※第4回を除く)は実行委員長として関わっています。

2014年にGPF Japanの職員となり、実行委員長に就任したのがそのわずか2年後。しかも当時の僕はまだ20代でした。第1回の実行委員長を務めたGPF Japan代表理事の後藤亜也より知識や経験が浅くはありましたが、そんな自分だからこそできることをしようと思い「ユース(Youth, 若者)x絆x夢」をその年のテーマに。外国にルーツを持つ若者たちとのディスカッションを企画し、その実現に向け多くの留学生たちが集まってくれました。また第2回が東京・墨田区で行われた関係から、ボリビア出身の墨田区議会議員である井上ノエミさんにご協力いただき、彼女のつながりでドミニカ共和国やグアテマラの駐日大使まで参加して下さったんです。


第2回多文化おもてなしフェスティバル ダイジェスト映像

このような僕ですが、帰国子女でも何でもありません。大分県で生まれ育ち、京都の大学に進学。ゆくゆくは故郷に帰り、公務員として僕を育ててくれた街に貢献しようと考えていました。でも心の片隅には、いつも海外への思いが小さな棘のように刺さっていたんです。中学生の頃から英語が好きでしたし、大学時代に住んでいたシェアハウスでは、短期滞在していた留学生たちと英語でのコミュニケーションを楽しんでいました。揺れる思いを抱えながら将来を考えていた頃、知人から東南アジアで行われるGPF JapanのプログラムやGPF Internationalのイベントに誘われて参加。プログラムの中で、僕は国籍や文化の違う友人たちとの交流に心を動かされ、その体験がGPF Japanにスタッフとして参加することを決めた一つのきっかけとなりました。

2016年、前回の実行委員長の後藤からバトンを受け取った僕は、新しいことをやろうと気負うことはせず、第1回で仕事をした人たちと一緒にできることを考えました。メンバーの出身国は日本人を含め様々でしたが、お互いの文化を認め合う懐の広い人ばかり。そのおかげで、当フェスティバルの英語名である”Multicultural One Family Festival”に表れている「日本人と外国籍の人たちが、お互いの違いを乗り越え”One Family”を築き上げる」という目標を、第2回でも達成できました。

背景が全く異なる人たちと、国籍や文化の違いを越え、自分が持っているものを持ち寄って一つのものを作り上げる – 僕は多文化おもてなしフェスティバルに参加することで、言葉や文化が異なる地で揉まれながら頑張っている、いわば”磨き抜かれた人たち”に出会いました。その経験を通じて”時間を守る””真面目に仕事に取り組む”といったことが、国や文化、宗教を越えて普遍的に大切にされていると感じました。

多くの日本人にとっては、多文化の環境に身を置く機会が少なく、それゆえにその環境に飛び込む心理的障壁は高いと思います。でも友達に誘われたら、そのハードルは一気に下がりますよね。多文化おもてなしフェスティバルも、参加者がそれぞれの友達を誘うことで、年々”家族”の輪が広がっています。これからも、その輪を広げていきたいと思います。

 

多文化おもてなしフェスティバル発起人
後藤亜也さん

GPF Japan 代表理事

仕事を通じていろんな国々に行き、また様々な背景を持つ人たちが暮らすアメリカで長らく生活してきました。毎日が異文化交流でしたが、自分とはバックグラウンドが違う人たちと友達になることで、自分の人生が豊かになっていくのを感じました。

このような体験は、わざわざ海外に行かなくても、日本でもできます。なぜなら日本には、すでに200万人以上の外国籍の人たちがいるからです。

彼らは日本で生活するために頑張っています。しかしその一方で、今では少し穏やかになったかもしれませんが、かつてある国々にルーツを持つ人たちへのヘイトスピーチが展開されたり、一部による犯罪で外国籍の人たち全員の印象まで悪くなる恐れが出たりしていました。そこで私たちは、彼らについて少しでもポジティブな情報を発信しようと、日本各地で頑張る外国籍の人たちを取材。山梨県で耕作放棄地だった桑畑を再生して桑茶を作る韓国人青年や、東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市を支援するフィリピン人女性グループなどに出会いました。

やがて国内のフィリピンコミュニティが自主的に開催するイベントの舞台設営や広報などを手伝うように。その経験から「イベントをやりたがっている、いろいろな国から来た人たちがひとつの場所に集まって、一緒にイベントを作ったらもっと面白くなるんじゃないか?」と考えました。しかも私たちが主導するのではなく、あくまでやる気あふれる彼らの”サポート”に留まり、一方で様々なバックグラウンドを持つ人たちの”触媒”となる – このようなアイデアから2015年に生まれたのが「多文化おもてなしフェスティバル」です。


第1回多文化おもてなしフェスティバル ダイジェスト映像

第1回は日比谷公園の野外会場で大々的に実施しましたが、第2回目以降は規模を縮小して屋内ホールなどでの開催に。それは、私たちにとってイベントの規模は全く重要ではないからです。規模が大きいと、現場の管理にばかり気持ちが向き、私たちの意識が「違いを乗り越えてお互いの絆を深める」というゴールの実現から遠ざかっていきます。「あらゆる人たちが集まって、ワクワクしながら一つのものを作り上げる」「違いを越えてOne Familyになる」というゴールに到達できるのであれば、フェスティバルを開かなくても良いとさえ思っているくらい(笑)ステージで歌を歌っているとき、もし突然アンプから音が出なくなったら、生の歌声で合唱すればいい。”皆で楽しむ”ことができれば、それでゴールにたどり着けるんです。

私の家族が住むアメリカでは、同じ国から来た人たちがそれぞれにコミュニティを作り、それ以外の人たちとはあまり交流しない傾向があります。日本でも同じことが起きていますが、それはすごくもったいない。外国籍の人たちも、そして日本人も、あらゆる背景を持つ人たちが放つエネルギーを受けて、元気になれる。そういうことに興味がある人、「私も何かやりたい!」という人がいたら、ぜひ実行委員会に参加していただきたいですね。


開催に向け、今からディスカッションが行われています。
2022年7月@GPF Japan

もちろん「日本の文化を紹介したい!」という人もWelcome。だけどただ一方的にその素晴らしさを主張するのではなく、他の国々の文化にも興味を持ち、理解を示すことが大事です。私たち日本人の強みは、他人への気遣いや思いやりの気持ちを持っていること、謙虚であること、和を大切にすることだと思いますが、ひとたび海外の人たちとの交流の場面になると、自分の殻に閉じこもりがちです。その結果「やっぱり日本が一番だ」「日本人は他の人たちに比べて優秀だ」という偏った思想が生まれる恐れがあります。だからこそ、日本人の強みである”謙虚さ”でもって、他の文化から学んでほしいと思っています。

それを日本にいながらにしてできる場が「多文化おもてなしフェスティバル」。第1回(2015年)にフェスティバルのアンバサダーを務めた女優の希良梨さんが、今年再びアンバサダーとして帰ってきます。ぜひ皆さんがワクワクできることを持ち寄って、私たちと一緒に楽しいイベントを作っていただけたら嬉しいですね。


希良梨さんが歌う多文化おもてなしフェスティバル テーマソング「七色のヒカリ~Colors of the Human Race ~」

 

関連リンク

多文化おもてなしフェスティバル@Facebook:facebook.com/multicultural1family
Global Peace Foundation Japan:gpf.jp/

 

My Eyes Tokyo

Interviews with international people featured on our radio show on ChuoFM 84.0 & website. Useful information for everyday life in Tokyo. 外国人にとって役立つ情報の提供&外国人とのインタビュー

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