日本行き、断念。
ダニエル・ペンソ
コラムニスト/翻訳家
このコラムのタイトル – 最初の言葉は楽しみにあふれている一方、最後の言葉に楽しさは感じられません。どんな旅でも”中止”というものに魅せられる人はいないと思います。思わず世界を爆破させたくなるほど・・・もちろんそんなことは、道徳的にも法律的にも不可能ですが。
僕は友人に会ったり、自分の仕事をしたりする目的で、今年3月の東京行きを計画しました。僕が生まれた国であるアメリカでよりも、日本でやる方が好きな仕事があるのです。僕は10年間日本に住んでいたし、僕が10代の頃から25年以上にわたり、プライベートでも仕事でも日本人との付き合いを深め、日本人への信頼を育んできました。
皆さんがこれまでご存じのように、コロナウィルスが世界中、特に中国や韓国、そしてある程度ではありますが日本も含め、アジア地域に影響を及ぼしています。僕は高度に治安や公衆衛生が保たれた日本へと飛び、予定していた用事に取り掛かる準備ができていました。しかし不幸にも、いえ、ひょっとしたら幸いにも、僕が利用することになっていた航空会社から「多くのフライトが運休になった」という知らせが入ってきました。それらは主に日本~中国、日本~韓国、日本~インドのフライトではありましたが、もしアメリカと日本を結ぶ便が運休となった場合、それこそめちゃくちゃ厄介で面倒なことになっていたでしょう。
そのため、僕は断腸の思いで東京行きのフライトをキャンセルし、日本訪問の延期を決めました。僕の人生で愛するものの多くは、太平洋の向こうにたたずむ日本にある。そこに行けないのは、僕にとって致命的とさえ言えます。
僕は現在ロサンゼルスに住んでいます。コロナウィルス関係のニュースが多くの人々の生活に影響を及ぼしました。私の年長の娘が通う小学校も例外ではありません。アルコールのハンドジェルは多くの店で売り切れとなり、あらゆる物資を確保するための長蛇の列があちこちにできています。にもかかわらず、僕が先週金曜日に行った近くの公園には、約40~50人が遊んでいました。何だかいつもと変わらないように思えました。
雑誌『ナショナル・エンクワイアラー』の最近の号の中に、アメリカ国内でコロナウィルスが「1億人に感染し、それにより700万人の人々が亡くなる」と主張する見出しが躍りました。気になるシナリオですが、それが起きないこと、そしてそれが全くの誇張であることを祈ります!
※英語版はこちらから
米カリフォルニア州在住の日英翻訳家。1999年~2009年の約10年間住んでいた東京を”第2の故郷”と呼ぶ。趣味は旅行、語学、食。日本への旅行時には落語を楽しむ。
*ダニエル氏の詳細は以下のページをご覧下さい。
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*ダニエル氏の意見は、My Eyes Tokyoとは関係ありません。
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