外国人材採用のために必要なことって?Part2
取材&構成:徳橋功
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外国人材採用にかかわる基礎知識を中心に在留資格や採用に関する情報を共有する(株)マイナビグローバル主催「はじめての外国人材採用セミナー」。採用の際に必須の在留資格に関する基礎知識を共有したパート1に続き、パート2では外国人材の日本語レベル、企業側の採用基準、就労する外国籍の人たちが苦労したことなど、外国人材の就労において考慮すべきポイントについてお届けいたします。
パート2 外国人材採用のポイント
株式会社マイナビグローバル
2019年4月1日設立。主に東南アジアを対象に、海外在住の外国籍人材の募集・育成、日本企業への就労から定着までをワンストップで推進。
※セミナーの一部のみ掲載します。
日本企業の外国人材採用への取り組み
弊社が全国の企業様に、外国人材採用への取り組みについてお聞きしたところ、全体の3割弱の企業様が実際に外国籍の人たちを採用されていると回答しました。またそれ以外の企業様のうち、13%は今後の採用活動を検討しており、全体の約半数の企業様が外国人材の採用を現在実施および今後の実施に向けて動いているという結果が出ています。
その背景として、増加を続ける外国人材からは優秀かつ若い人材を確保しやすく、介護や飲食を含めた日本国内での人材不足領域において、採用課題の解決策になると考えられていることが挙げられます。
日本企業に勤務する外国人材の声
以下の5点について、3人の外国籍の方々にお聞きしました。
●日本で働く理由
●就職先選定
●就労「前」の苦労
●就労「後」の苦労
●企業に配慮してほしい点
1. ベトナム出身男性(28歳)
広島県内の自動車部品メーカーで設計開発担当
日本在住歴:3年1か月 日本語能力試験(以下JLPT):N2
大学卒業後、ベトナム国内の韓国系大手携帯メーカーで開発設計に従事。さらに高い技術力を身に着けるために日本で働きながら学びたいと思った。また自動車関連メーカーで働きたいとも思っていた。
エリアへのこだわりは特になく、交通の便が良ければどこでも良いと考えている。自分のスキルを十分に活かせるか、人材を教育し成長させる意思のある企業かどうかが重要だった。キャリアパスを一緒に考えてくれたことが今でも心に響いている。
ビザや住宅などのサポートもしっかりしてくれたため、就労までに特に困ることはなかった。就労後も日々の仕事に満足している。しかし日本人が受けている研修に参加させてもらえなかったことがあり、その時は外国人扱いされたことに少し戸惑った。
ベトナムでは家族第一の考え方があるため、家族に何かあったときは会社を休むのは当然のこと。しかし日本では、自分が風邪をひいたときでも気軽に仕事を休めない雰囲気があり、大変だなと思った。
2. ベトナム出身男性(25歳)
千葉県内の建築関連企業で施工管理担当
日本在住歴:1か月 JLPT:N3
アニメやマンガが好きで、元々日本語を勉強していた。日本の食べもの、特にたこ焼きと寿司が好き。福岡の道路陥落事故(※2016年)が2日で復旧したことをニュースで聞き感動し、日本で技術を学びたいと思った。
就職先決定の決め手は、資料や映像を使って企業説明をしっかり行ってくれたこと。それにより理解が深まったし、企業側の思いを感じた。働く場所は問わない。新卒のため各社いずれも給与額に大差は無いので、その面はあまり気にしていなかった。
就労前は不安があった。しかし銀行口座の開設や住居手配、役所への届け出などを企業にサポートしてもらい助かった。
就労後、職場で言いたいことを言えない印象が企業内にあるように感じた。また年功序列が強く、上司が明らかに間違った意見を言ってもそれを変えられない文化を日頃痛感している。今後は、定期的に話を聞いてもらえる機会が欲しい。また、祖国のお盆や旧正月(テト)の休暇などに配慮いただければありがたい。
3. 台湾出身女性(34歳)
箱根のホテルで予約管理・マーケティング担当
日本在住歴:5年9か月 JLPT:N1
日本で就職した大学の先輩が発信していたブログを通じ、日本で仕事することに憧れを持っていた。また大学で学んだマーケティングの知識を活かしたいと思っていた。台湾で就職して働いたが諦めきれず、20代が終わる前に現在の会社に就職。日本の有名な観光地にあるホテルでのマーケティングの仕事を通じてキャリアアップを図りたかったのが志望理由で、エリアへのこだわりは強くなく、勤務地は想定の範囲内だった。
企業からビザ申請手続きの説明などもあったため、入国までに苦労したことは特に無かった。 住居探しが心配だったが、手伝ってもらえて助かった。逆に銀行口座の開設などその他の手続きは、問題なく自分で行うことができた。
今の会社では、自分以外は全員日本人。そのため会議などでたまに早口で喋られると聞き取れなかったりする。また、日本語の敬語は今でもやはり難しい。
日本特有の社交辞令にも戸惑いを覚えた。例えば「今度ご飯にでも」と言われ期待していたが、何もなかった。また日本の飲み会文化は、慣れるまでが大変だった。
旧正月にちょうど繁忙期が重なると「母国に帰りたい」と言いにくい空気になる。もっと気軽に帰れるように配慮してもらいたい。
まとめ
●日本で働く理由:学んだことを活かし高いレベルの仕事がしたい(身につけたい)
●就職先選定:やりたい仕事を任せてもらえる(明確に伝えてくれる) エリアへのこだわりは強くない
●就労「前」の苦労:住居手配が一番心配 ※コミュニケーションスキルに応じてその他の生活サポートも必要
●就労「後」の苦労:コミュニケーション、業務上の特別扱い、日本特有の文化への対応 (飲み会、社交辞令、怖いイメージetc)
●配慮してほしい点:休日(旧正月:春節・テトetc)
このほか、以下のトピックについてマイナビグローバルよりお話がありました。
●外国人材の採用で考慮すべき日本語レベル(レベル別 外国人材インタビュー映像紹介etc)
●企業側 ケーススタディ(外国人材採用の理由、外国人材採用基準、人材定着のために行っていることetc)
●日本企業に勤務する外国人材の声(ワーキングホリデー編)
●採用国・エリア選定における重要ポイント(サービス系職種および機械・電気・電子・建築系職種での採用ターゲット国選定とその理由)
詳細はマイナビグローバルが今後開催するセミナーにてご確認ください。
パート1「外国人材採用と在留資格」はこちらをクリック!
関連リンク
マイナビグローバル:mgl.mynavi.jp/
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